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2015年03月18日(水) 修理の各工程で使う水にはこれだけの質が要求されます

RO(逆浸透膜)水装置の定期点検の日。専門業者の方による装置内のフィルター交換と水質点検が行われた。弊社では、紙資料の修理に使う水をすべてこのRO(逆浸透膜)水装置で作っている。不純物(重金属類、トリハロメタン、ヒ素など)が入った水道水をそのまま使用すると、化学的な試験や処置の結果が正しく判断できなかったり、微量の重金属が’後々になって変色等の原因になることもある。水道水を装置内の逆浸透膜と活性炭フィルターに通し、水の中に溶けている不純物を分子レベルで分離・除去して限りなく H2Oに近い水(下表の精製RO水)にする。そしてこのRO水を元に、洗浄、脱酸性化、フラットニングなど、それぞれの処置と目的に合わせて水質を調整している。

 

 

作業工程      要求される水(これ以上の質ならば問題ない)
洗浄、霧吹き、サクション イオン交換水、作ってすぐの滅菌/精製RO水、蒸留水:もしアルカリに敏感なものがなかったらアルカリ水(200ppm 炭酸水素カルシウムかマグネシウム水溶液)がよい
普通のpH 計測 作ってすぐの精製RO水
水性脱酸用の溶媒 作ってすぐの精製RO水
漂白 精製水
酵素を使う処置 作ってすぐの精製RO水
水溶性接着剤の溶媒、湿布 精製水または蒸留水
リーフキャスティング、紙漉き DI(脱イオン水)、RO、蒸留水
特殊なイオン分析(pH、マグネシウム、カルシウム、塩素) 精製水
ガラス器材の洗浄 水道水の後の仕上げに蒸留水かRO水か精製RO水
金属器材の洗浄 RO水もしくは精製RO水
補彩などの絵の具の溶媒 RO水もしくは精製RO水

参考:CCI(カナダ文化財研究所)Water Quality for Treatment of Paper and Textiles 

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