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2024年11月14日(木) 2024年度 東京造形大学附属美術館様 博物館実習の一環として見学会を行いました。
東京造形大学附属美術館では、桑澤洋子関連資料や小野かおる関連資料をはじめとする多数の資料を所蔵し、授業や展示に活用しています。これらの資料群は、これまで株式会社紀伊國屋書店によるプロデュースのもと一貫した資料の保存整理と電子化事業が進められてきました。弊社は紀伊國屋書店との業務提携において、資料の保存整理作業や修復、電子化前後の処置を担当しています。
昨年に引き続き、博物館実習の一環として、東京造形大学で学芸員課程を学ぶ学生の皆様が紀伊國屋書店のアテンドのもと、各提携先を訪問し、専門業務を間近で見学しました。株式会社インフォマージュでは電子化の工程を、弊社では保存容器の製作と紙資料の修復現場をご覧いただきました。今年度は、見学に加えて、資料に触れて作業を体験するプログラムも取り入れました。
保存容器製作部門では、異なる形態の資料を採寸し、切り出されたボードを組み立て、資料を収納しました。弊社オリジナルの採寸道具の工夫や、アーカイバルボードを折る際の手ごたえ、そして資料がぴったりと収まるオーダーメイド保存箱の収納具合を実感していただきました。
修理部門では、処置中の修復作業の解説とともに、劣化資料の実物として明治、大正、昭和の各年代の雑誌資料のサンプルを手に取り、時代ごとに異なる紙の質感や経年による劣化、金属の腐食状態をご覧いただきました。また、「手のとどく保存技術の実際」として、私たちが日頃の修復作業に使用している道具や材料を用い、金属綴じの冊子を糸で綴じ直す工程の体験実習を行いました。こうした作業を通して、近現代の紙資料の修復方法を学び、保存と取り扱いやすさを両立させる技術の一端に触れていただけたかと思います。
【関連情報】
『今日の工房』
・2024年1月29日(月)2023年度 東京造形大学附属美術館様 博物館実習の一環で見学会を行いました
・2019年11月7日(木)東京造形大学附属美術館様の所蔵品、絵本作家小野かおるの立体作品の保存箱を製作しました