今日の工房 

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2015年10月28日(水) 13年前に脱酸性化処置した資料はいま、どうなっているか?

コンサベーション・シミュレーション・サンプル。さまざまな紙媒体資料へのさまざまな修理方法を模擬的に適用したもの。サンプルが経年によりどのように変化するかを定期的に観察し、実際の処置の参考にする。ここでは13年前に、1枚の紙を分割し、それぞれの紙片に対して5種の脱酸性化処置を適用したものの、基材の紙と、インク等のイメージ材料の変化を検証した。

 

4枚目の画像について。オリジナル(未処置)の新聞紙片に対し、pHチェックペンの指示薬が素早く黄色に呈色したことから酸性度が高い事が分かる。対して、洗浄・脱酸性化処置(水酸化カルシウム水溶液による)を適用したものは、紫色のまま保たれている。pH値は13年前の処置時と同等のアルカリ域にあり、脱酸性化処置の効果が持続していることが確認できる。

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