今日の工房 

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2005年07月16日

ドライクリーニング用の粉状の消しゴムを作る。粉砕したものをメッシュの大きさの異なる4段重ねの篩で選り分けた。対象の紙の表面の粗密にあわせて使い分ける。昭和60年代のポスターはコート紙やアート紙が使われており、表面が蜜なので粒径の小さなものを使う。

続きを読む

2005年06月27日

コート紙に印刷された明治期の書籍のコンサベーション・バインディング。「元の製本方法」が弱く、元通りに直すと元通りに傷む。ベラム支持体を表紙ボードに挿入し、背にトウイング革を二重に貼って固め、適度な開きと閉じができるようなスプリング・バック構造にした。

続きを読む

2005年06月20日

絹織物を入れる大型の被せ蓋式保存箱を作る。絹はタンパク質であり、使用されている染料は酸にもアルカリにも敏感で、変質・変色しやすい。一般に、テキスタイルを長期に保存する容器は、接触する容器の内壁を3F(無酸・無アルカリ・無サイズ)にすることをお奨めしている。

続きを読む

2005年06月13日

「材木から紙を作る」のCSS。割り箸を削ったチップを、還流冷却をしながら加熱して繊維を取り出し、木枠で漉く。紙になる際の水素結合が実感できる。ご指導してくださった杉原和男先生にお礼を申し上げます。

続きを読む

2005年06月06日

「アルカリ残留量の測定」のCSS。ISO 10716 :Paper and board -Determination of alkali reserve に基づく。脱酸性化処置の効果をシュミレーションするためだが、「アルカリ残留量が明確な標準紙」が存在しないのが辛い。

続きを読む

2005年06月01日

5~6月は基礎体力強化月間。各人がそれぞれテーマを持ち、約1ヶ月、ルーチンの仕事を離れて専念する。写真は「濡らし・洗浄・乾燥」のCSSの作成。こ のほか、今年度は7つのテーマがあり、年度をまたぐこともある。ここから次の確かな技術や、新しい機能を持つ製品が生まれる。

続きを読む

2005年05月26日

国立機関、大学等からお客様を迎えて開催したオープン・ワークショップ。近代の紙媒体記録資料の水性コンサベーションを中心に。ドライクリーニングから始めて、処置前試験、滲み止め、濡らし、洗浄、脱酸性化、抗酸化、乾燥等、一連の処置を半日かけて実体験していただいた。

続きを読む

2005年05月18日

お雛様を入れる保存容器。入籠(いれこ)形式で、それぞれの箱を、順次に重ねて組み入れると、最後は一箱に全部が収まる。また、雛を出した箱を積み上げ、毛氈を被せると、そのまま雛壇になる。

続きを読む

2005年05月08日

立体的な博物資料を収納する「つづら」式保存箱。上蓋、底蓋、側板で構成される。側板が外れるので、収納物が入れやすく出しやすい。堅牢な作りで、底蓋は50キロの荷重に耐える。

続きを読む

2005年04月22日

今年度に入社したニューフェイス3名。虫の糞がこびりついた文書の丁を根気よくクリーニングする。 2005年度の入社試験問題(学科) (PDF 29KB)

続きを読む

2006年01月09日

書籍資料の解体と再製本。本体と表紙を分離。熱した澱粉糊を本体の背に塗ってしばらく放置し、旧い膠が柔らかくなったらこそげ落とす。改めて背を補強した後に、ヒンジ部を作り、表からを和紙で補強、違和感のない程度に補彩して完成。

続きを読む
ページの上部へ戻る