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今日の工房
週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。
2005年12月07日
近世版本資料を水性洗浄する。弱アルカリ水による洗浄は資料表面の埃や塵を除くだけでなく、紙の中に蓄積された酸性劣化物も同時に洗い流す。計8回の洗浄により、白色度の回復とともに、和紙本来の丈夫さが戻る。乾燥させ、欠損部等の補修後に綴じ直す。
2005年11月30日
2005年11月22日
戦後の図書資料を対象にした劣化状態調査。12万点の中から400点をランダム・サンプリングし、劣化ガスを検知する指示薬を染み込ませた小片をページ間に挿入、ガスバリア性の高いフィルム・ポケットに入れて一週間放置し、変色度を見る。
2005年11月16日
ASTMの新しい「紙の加速老化試験法」を用いて、新聞や戦後の公文書に使われているリグニン含有紙の変色と、還元漂白後の色戻り処置の効果を見る。紙片をチューブ(蓋付きの試験管)に入れ、恒温槽に仕込んで、120時間加熱して、加速老化させる。
2005年11月04日
2005年10月27日
2005年10月20日
洋式製本のためのさまざまな綴じ方。麻紐を埋め込み支持体にしたオール・アロング(左)、オーバーソウイング(中)、革テープの支持体による抜き綴じ(右)。 右端は、綴じ支持体のテープを、表紙の芯材ボードの間に挿入するスプリット・ボード製本の雛形。
2005年10月11日
2005年10月03日
2005年09月26日
ネパールのアサ古文書館で「パーム・リーフ写本」へのボランティアでのコンサベーションを行っている中堂さんと前田さんを迎えて報告会。巻かれた文書を開き、デジタル化した後に巻き戻し、当社の提供した専用の保存箱に収納された。
2005年09月20日
小冊子を綴じた針金を除き、こよりで綴じなおす。昭和初期~中期に出版された1,500冊の針金は、ほとんどが酸化して崩れ、丁が外れているものもある。本文紙を傷めないように注意しながら針金をニッパで切断してゆく。こよりで結び、表紙を戻す。
2005年09月13日
機械油が全頁に染みこんだ、ミシンの使用説明書。病理標本の脱脂に使う脱パラフィン剤で油を抜いてゆく。その後にエタノール・水での洗浄を繰り返し、元の「紙」の状態に復元する。写真の左の容器のが抜けたミシン油、右が洗浄で紙から出た汚れ。
2005年09月08日
印刷・書写部の耐溶剤性と耐水性をスポット・テストで確認後、サクション・プレート上で溶剤によりセロファン・テープを除く。耐水性が無く、処置中に滲んでしまうインクは、昇華性のシクロドデカンをホット・ブラシで塗布し養生してから、洗浄や脱酸性化等の水性処置する。
2005年08月30日
全長が3メートルを超える長尺の箱を作る。定寸のアーカイバル・ボードを継いで、歪みが生じないように3人がかりで組み立ててゆく。蓋も同じように作成して、桐箱なみの安定した小環境(minimum environment)を形成する大型巻子箱が完成。
2005年08月23日
革装幀本修復の最後の工程のレザー・ドレッシング。レッド・ロットと呼ばれる、皮の表面が赤茶けて粉状になる状態を抑えた後に、ラノリンとシリコーン・オイルで作った保革油を含浸させ、乾かした後に、柔らかいクロスで磨くと、革に艶が出て、金箔の輝きも戻る。
2005年08月16日
2005年08月08日
明治から昭和前期の新聞の洗浄と還元漂白。茶褐色に変色した新聞を洗浄し、脱酸性化の後に還元漂白を施し、白色度を戻す。当社独自のクリーニング・ポケット養生(特許出願中)により、傷んだ新聞も難なく扱える。
2005年07月30日
ポリエステル・ブックをつくる。酸性劣化した合冊製本を解体し、クリーニングから脱酸性化までの一連の処置後、丁の背に和紙を付けて綴じ代にし、フィルムとともに溶着して綴じる。両面印刷のページで構成される冊子体に適したコンサベーションの一例。
2005年07月23日
2005年07月16日
ドライクリーニング用の粉状の消しゴムを作る。粉砕したものをメッシュの大きさの異なる4段重ねの篩で選り分けた。対象の紙の表面の粗密にあわせて使い分ける。昭和60年代のポスターはコート紙やアート紙が使われており、表面が蜜なので粒径の小さなものを使う。