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今日の工房
週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。
2006年06月05日
革装幀を「革」でではなく、「和紙」で治す–。欧米では、和紙の薄さと強靱さ、食いつきの良さを活かして、80年代から普通に行われている方法である。ヒンジ部とともに表紙の「革」の部分も、和紙を使ったとは思えないレベルに修補できる。
2006年05月29日
基礎体力強化月間のテーマで、セロファン・テープの天然ゴム系粘着物残滓を除く。炭酸カルシウム粉末で囲み、窪みに、溶解パラメータを合わせた混合溶剤を入れてしばらく置くと、溶けた残滓が炭カルに移行し、除去される(右の部分)。
2006年05月23日
SOx などの汚染ガスを吸着する保存容器の開発。密閉した瓶の中で、杉、桐、合板等を入れて測る。材木からはどれも酸性ガスが発生し、検知紙が黄緑に。開発中の吸着紙を入れたものは、材木からのガスを吸着し元の青色が維持される。
2006年05月16日
ロール・エンキャプシュレーション法。資料の一端に和紙足を付け、フィルムを融着し、フィルムの他の三辺はシールせず巻き上げ、平紐輪で止める。一見脆弱な感じを受けるが、保護性は極めて高い。英国図書館の敦煌文書でも使われている。
2006年05月09日
2006年04月27日
基礎体力強化月間のCSSのテーマ。水性処置の際に水に溶けてしまうインクの滲み止め。昇華性を持つシクロドデカンを、手作りのホット・ブラシとプレートを使って、さまざまなインクの書写部に塗布し、昇華後の効果を顕微鏡で確認する。
2006年04月20日
数年越しに開発中の新しい非水性脱酸性化技術。特にリグニンを含有していて変色が著しい近代の新聞や藁半紙媒体、竹紙に。スプレー法での試験では、既存の Bookkeeper法 (右) に比べて、表面の粉っぽさが大幅に抑制されている。
2006年04月12日
2006年04月06日
お客様の現場に出かけての収納作業。100本近い巻子をドライクリーニングして保存容器に収納する。巻子専用に作ったクリーニング装置は、形状に沿って撓むネットと、先端に柔らかいブラシを着けた掃除機。清潔に作業を進行できる。
2006年03月24日
平安時代の絹織物を入れる大型の保存箱を三人がかりで作る。芯材にはハニカム構造の板を使い、外壁はpH 8.0台の弱アルカリボードにしたが、絹と接する内壁は全て無酸・無アルカリ・無サイジングの厚紙を貼る。
2006年03月19日
図書館等でよく見かける背が片方だけ切れた本。本体が前小口寄りに凹んでいるために、そのままでは接着が難しい。ホロウ・チューブを入れた後に、凹みに合わせた丸棒を前小口にかませて、伸縮性のある包帯で巻いて密着させる。
2006年03月13日
額装された中国の拓本への手当て。市販のガムテープとベニヤ板で封じ込められた画仙紙は変色が著しく、酸性度はpH4.0台にまで低下していた。洗浄して酸と着色物を洗い流し、中性マットによるフレーミングを行った。
重量が5㎏以上ある本を再製本する。元表紙は普通のくるみ製本で接合されているが、接合部の脆弱さを補うために、ヒンジのクロスを本のミミに縫いつける。ブリタニカ百科事典の第2版で採用されたといわれる。
2006年02月28日
アフガニスタン国立公文書館からのアーマスミさんとアベーデさんを迎えて。小麦粉からデンプンをとり沈糊に。文書の裏打ち、炭酸カルシウム+沈糊を塗った段ボール紙での箱づくり-等々を。最良ではないが、決して最悪ではない方法を共に探る。
2006年02月16日
2006年02月10日
公文書の簿冊を綴じる。オリジナルの簿冊は丁の背に接着剤を塗り込めたハードカバー製本だが、解体してマイクロ撮影をした後は、丁に接着剤を使わず、糸だけで綴じる。将来再び解体の必要がでてきても、綴じ糸を切るだけで一枚ずつの丁になる。
2006年01月31日
2006年01月25日
2006年01月18日
戦時期のガラス乾板を入れる保存用容器を作る。割れているものもあるため、平置きで、乾板サイズに合わせたシンク(凹み)を持つフレームを作成し、フレームを重ね、全体を一箱に。箱は蓋と一体型で、前のフラップが倒れる構造で、出し入れが易しい。