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今日の工房
週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。
2011年09月08日(木)
リーフキャスティング(漉き填め)の準備。広い水槽に水を張り、漉き簾(すきす)の上にクロスを重ねて漬けておく。仕上がった際に簾の目が目立たないようクロス層は5層から成り、目の粗いものと細かいものを組み合わせて重ねる。あらかじめこのセットを用意しておくと、その後資料を伸ばし漉き嵌めを行うまでの一連の作業がスムーズに行える。
2011年09月01日(木)
8月29日に開催された大学図書館問題研究会第42回全国大会オープン・シンポジウム「震災そのとき、その後-震災と図書館について考える」において、ボランティア・グループ「東京文書救援隊」事務局長の弊社の木部が、東文救文書復旧システムと導入実績について報告した。
2011年08月25日(木)
絵画や木製彫刻、陶芸品などの美術工芸品の収納、保管に使う綿布団。 外部からの衝撃や振動を和らげる「緩衝材」として、容器内部で文化財を安定させる。立体面のカーブ、凹凸など、ものの形状に合わせ包み込むように支える。 コットンライクな柔軟性とクッション性があり、コシがあるので部分的に入れるだけでも充分に固定できる。緩衝材としての機能を維持しつつ、文化財の長期保 存に適した素材を使用している。
2011年08月18日(木)
エア・ストリーム乾燥法を使用したフラットニング。湿らせた資料を不織布、ろ紙、段ボールで挟み、扇風機の前にセットする。段ボールの波板の隙間から絶え ず新鮮な空気を送ることで、濡れた紙を均一かつ素早く乾燥させることができる。途中の吸い取り紙の交換も不要で、仕上がりも良い。詳細はスタッフのチカ ラ:「エア・ストリーム乾燥法―大量の湿った紙媒体を早く、平らに乾燥する」に。
2011年08月11日(木)
2011年08月05日(金)
長年の保管方法や利用によって、背のラウンドが変形した資料に対する補修処置。解体し、旧背ごしらえを除去後、仮固めを行う。仮固めが完全に乾く前に背が半円形を描くようにハンマーで補正し、背ごしらえをする。表紙と接合して完成となる。
2011年07月28日(木)
仏像とそれに付随する貴重な装飾品類をまとめて一箱に保管するための保存箱。仏像は筒状の囲いの中に立てて納め(写真左から1番目)、付随する装飾品類は仕切付きの台差箱に納める(写真左から2番目)。これで付随品の多い資料も、まとめてコンパクトに保管ができる。
2011年07月21日(木)
革装丁特有の劣化を抑制する薬剤 レッドロットカクテルを作る。既製のSC6000とセルロースエーテルKlucel G(2%溶液)とエタノールを1:1:1の割合で混ぜたもの。浸透性がよく、べたつきがない。乾燥後、よく磨くと落ち着いた光沢感がでる。写真資料の右半分がカクテルを塗布した部分。
2011年07月14日(木)
弊社独自の「採寸道具」を2台新調した。設計から組立まですべて手作り。寸分の狂いなく組み上げられた採寸道具はまさに名工仕立て。工作精度が高く、滑らかにスライドし、安全かつ確実に正確な寸法が計測できる。資料だけでなく立体物も計測でき、厚みや微妙な傾斜など、物の特徴を把握しやすい事もメリットである。
2011年07月07日(木)
コンサベーション処置で使用する、さまざまな計測道具。処置方法の可否を確認すると同時に、毎回異なる資料を扱うにあたって処置を均一にするための目安にもなる。結果は数値や色で表わされるので簡便に必要な情報を得ることができる。
2011年06月30日(木)
東日本大震災の経験をふまえ、弊社では棚や大型器具の転倒防止、非常持ち出し品の見直しなどを行い災害対策を強化した。スタッフ全員に配られた非常食とヘルメットを目にするたび、心の備えも新たになる。
2011年06月23日(木)
HEPAフィルター(定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもつ)付き掃除機とコルゲート・ボードの箱を組み合わせて作成したドライ・クリーニングBOX。掃除機で吸引しながら作業するので、資料に付着したカビの胞子や塵挨を、周囲に拡散させることなくクリーニングすることができる。吸引口にはネットを張って、資料が吸い込まれないようにしている。→改良した製品はこちら。簡易ドライクリーニング・ボックス
2011年06月16日(木)
酒杯などの小型の資料を複数個まとめて一箱に入れるための保存箱。仕切りをつけ、各部屋の底面に綿布団を敷き(写真左から2番目)、更に上に綿布団を敷いて資料をくるむことにより、安全に保護・保管することができる(写真左から3枚目・資料はダミー)。使わない部屋にはスペーサーを入れて塞ぐこともできる。一箱にまとめることにより管理やアクセスもしやすくなる。
2011年06月10日(金)
被災資料復旧支援ボランティア・グループ「東京文書救援隊」のサポートメンバーとして、津波などの被害を受けた資料を利用可能な状態まで戻すための処置法を考案。シンプルな手法と入手しやすい機材を用いることで、専門的な技術を持たない人でも作業可能なシステムとなっている。詳細は、同隊のホームページで公開中。
2011年06月06日(月)
6月4、5日に奈良県新公会堂で第33回文化財保存修復学会が開催された。弊社はポスター発表と保存容器の展示を行い、多くのお客様とお会いして幅広くご意見をうかがう貴重な機会を得た。その他、研究発表の見学や懇親会での情報交換など、充実した2日間となった。弊社ブースにお立ち寄りくださった方々に心より御礼申し上げます。
2011年05月27日(金)
“hinged hollow”と呼ばれるコンサベーション製本のモデル。通常のホロー(hollow)構造と違い、ヒンジ部が2段階になっているため、ヒンジ部にかかる 負担が分散される。重量があり厚く、しかも元の製本がくるみ(case)構造の本に有効で、見開きも非常に良い。詳細は後日「スタッフのチカラ」に掲載予 定。
2011年05月19日(木)
本年の文化財保存修復学会は6月4~5日の2日間、奈良で開催される。弊社では例年のブース展示のほか、4日のポスターセッションにて「空気汚染ガス吸着性を持つアーカイバル容器-小環境内における空気汚染ガス低減試験-」を発表する。当日ご来場の方は、弊社のブースにもぜひお立ち寄りください。
2011年05月12日(木)
エンキャプシュレーションした資料を、パンフレット綴じで仕上げる。通常の工程とは逆に、フィルムに挟んだ状態で資料を半分に折ってから封印したことで、 資料を開いた際の見開き度が上がり、フィルムに生じるたわみが軽減された。一括構造の小冊子やパンフレットに適している。
2011年04月28日(木)
巻子3幅と、もとの資料が入っていた木箱をまとめて収納できる仕切り付き保存箱。木箱を収納するスペースには取り出しやすいように指掛けを付けた(写真左から2枚目)。また軸受は表面に化粧貼りをほどこした新たなバージョンを考案。