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今日の工房
週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。
2012年02月23日(木)
胸像と台座をまとめて収納するつづら箱を制作した。台座はスライド式のトレイに入れてつづらの底に納め、その上に胸像を乗せる。複数の資料をまとめて一つの箱に納める場合、箱に仕切りをつける他にもこのような方法がある。
2012年02月16日(木)
経年劣化により物理的強度が低下したトレーシング・ペーパーの修復。ゴアテックスを用いて全体に均一な水分を与えながらゆっくりと伸展させ、サクションテーブル上でファイバー・ブリッジと喰裂きにした和紙による破れの修補を行った。トレーシング・ペーパーは液体の水に敏感なため、接着剤は非水性のHPC(ヒドロキシ・プロピル・セルロース)を使用した。この後、台紙に固定しエンキャプシュレーションを行う。
2012年02月09日(木)
2013年02月07日(木)
商品を安全に輸送するために大切なのはやはり梱包だが、今回は大型箱を東北に送るため、二人がかりで格闘すること数時間。まずエアシートで包み、段ボールで四隅と縁を重点的に養生してから全体を覆う。仕上げに「取扱注意」のシールを貼り、晴れてトラックの荷台に載せることができた。
2012年02月02日(木)
ワイヤー・ソーイング(wire sewing)により綴じられた書籍。括を針金で中綴じし、製本されている。ワイヤー・ソーイング・マシーンは、1880年ドイツで開発されたが、糸綴じ 機の普及と、針金が錆びて本が崩壊することから、すぐに姿を消していった。処置として、解体・金属除去をし、括の背を修補、綴じ直しの後、表紙と本体を接 合した。右端の画像は、http://t.co/WEwd K1N から。
2012年01月26日(木)
木箱に保管されていたガラス乾板古写真を入れる専用保存容器を作る。既存の木製箱と乾板のサイズに合わせたシンク(凹み)を持つフレームを作成し、共に保管できるよう2段構造となっている。また既存の木箱からの揮発成分の影響を考慮して、ガス吸着機能をもたせた新きりなみ仕様となっている。
2012年01月19日(木)
革のフルバインディングを和紙で直す。革装丁本の修復に、部分的に和紙を使うのは欧米では一般的だが、破損の著しい背表紙すべてを和紙で代替した。オリジナルの背バンドを活かしつつ厚めの和紙で背ごしらえをし、さらに染色した和紙で全体を覆う。アクリル絵具で補彩し、表紙の革と共に保革油を全体に馴染ませることで、全体に統一感がでる。
2012年01月12日(木)
資料についた泥や埃などを除去する際に使用するドライクリーニングボックス。アーカイバルボードの本体に、埃の飛散防止のために取り付ける掃除機のノズルや、透明アクリル板などを組み込んで制作する。今回制作したものは、東北各地で被災資料の復旧に使用される。→改良した製品はこちら。簡易ドライクリーニング・ボックス
2011年12月22日(木)
ガラス乾板を包んだフォルダーを収めるためのシンク容器と保存箱。シンクは中に入るガラス乾板の様々な大きさに合わせて作られており、資料を入れた後、蓋を閉め積み重ねることができる。最後にまとめて被せ式保存箱に収納する。
2011年12月1日(木)
火災によって本紙の一部が焼けてしまった巻子状の家系図。被災後に一度、裏打ちによる修理がされているが、細い軸棒に巻かれていたため、 焼けた部分を中心に折れや剥落が生じている。表装の解体後、糊差しと極薄の和紙による表打ちを行なってから、径の大きな中性紙の丸筒に巻き、保存容器に収納した。
2011年11月24日(木)
梱包され出荷を待つ商品が、倉庫や工房内に所狭しと並べられている。こうした荷物も数日のうちにはお客様のもとへ送られていき、新たな商品が積み上げられる。本年も繁忙期に入ったことを実感する日々である。
2011年11月17日(木)
リンプ・ペーパー製本。柔軟で丈夫な白なめし革(トーイング革)を、本体の綴じと本体天地の花裂の支持体に使い、孔を空けた表紙(厚い楮紙)に支持体を通して接合する。見開きも良好。接着剤を用いないため可逆性が高く、表紙が失われた貴重書のコンサベーション・バインディングとして用いられている。
2011年11月10日(木)
2011年10月27日(木)
25日に開催された第5回資料保存シンポジウム『資料を護り継ぐ―平時も、非常時も―』にて弊社も出展と企業発表を行なった。今年の新製品は「トレー付き倹飩式棚はめ込み箱」、企業発表は「東京文書救援隊」について。多くのお客様から、ご質問やご意見を直接伺うことができ、貴重な時間になった。ご来場いただいた皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。
2011年10月21日(金)
ガラス乾板や湿板を保管する専用保存箱。破損した乾板を破片サイズに合わせ作成した落とし込みマットも。写真画像を擦れることなく保管するため、4つの袖があるフォルダーに入れ収納する。保存容器は、中身の確認がしやすいもの、出し入れの容易さ、光や埃からの保護といった色々な目的によって少しずつ形態が違う。物理的な強度・緩衝性は内外の従来品を凌駕する。
2011年10月17日(月)
10月14日に開催された全国図書館大会第11分科会「災害と資料保存」において、弊社の木部が「被災資料を復旧する–東京文書救援隊の考え方と技術」の講演を行った。講演後のワークショップでは、東文救の文書復旧システムを参加者に体験してもらい、活気のある会となった。
2011年10月06日(木)
2011年09月29日(木)
ハードボードに資料の背幅に合わせたスジと、ヒンジとなるスジを入れた簡易表紙。シリーズものの小冊子を一つにまとめるときや、マイクロ化やデジタル化の撮影のために、資料を解体し分冊したものの復元に有効である。綴じ糸を簡単に緩めて解くことができるため、見開きを良くして資料を閲覧できる。
2011年09月22日(木)
仏具や装飾品をまとめて収納するために仕切りをつけた保存箱。今回は所蔵者様所有のキャビネットに保存箱自体をすっぽり納めたまま使用したいとのご要望に沿い、外蓋を落とし蓋のような形状にし、取りやすくした(写真左から3・4番目)。
2011年09月15日(木)
9月13日に全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)関東部会第263回定例研究会が開催され、「被災資料を復旧する–東京文書救援隊の考え方と技術」として弊社の木部と久利が講演と実演を行った。実演では、東文救システムの文書復旧処置を出席された方々にも実際に体験していただき、活発な意見交換の場となった。当日の配布資料は → こちら(PDF)