今日の工房 2024年 12月

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2024年12月11日(水)染織品の保管用に、綿布マウントとウィンドウマットを製作しました。

染織品は柔らかく脆弱なため、折り畳まず平らな状態で保管することが理想です。特に、劣化が進んだ小さな染織品や断片化した更紗などは、形状に合わせた枠を作り、できるだけ動かさず現状を維持して保管する必要があります。そのため、慎重に素材を選定し、安全に扱える容器で保管することが重要です。

 

今回製作した綿布マウントは、染織品を安全に支えるため、硬く厚みのあるマット紙を使用しています。ただし、マット紙は表面が平滑で滑りやすいため、表面に綿布を貼り付け、布の摩擦で滑りにくくしています。

 

ウィンドウマットは、所蔵者の要望に応じて観察や展示の利便性を考慮し、帯電防止加工を施した柔らかいフィルムを使用し、染織品と同じ厚みのマットで挟み込む構造にしています。この構造により、圧力をかけずに染織品全体を保護できます。

 

これらの保管用品は、重ねた状態でポリプロピレン袋に収納し、展示や作品調査の際の取り扱いにも配慮された設計になっています。

 

 

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