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今日の工房 2023年 7月
週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。
2023年7月18日(火)1点物の陶彫作品を収納する保存容器を製作しました。
美術画廊GALLERY SCENA様からのご依頼で、陶造形作家・村上仁美様の陶彫作品を収納するアーカイバル容器を製作しました。
作品は陶製のオブジェで、表面にアクリル絵の具等で焼成後の彩色が部分的に施されています。以前は作品を購入されたお客様へご納品する際、桐箱などをご利用されていたとのことですが、市販の桐箱ではぴったりと合うものがなく、作品の大きさと形状の正確な測定や固定治具の取り付けなど、カスタムフィットの対応が難しいと感じていたとの事です。また、木材から放散される有機酸などのガスが作品の彩色部に悪影響を与える危険性を憂慮されており、なるべく製作当初の状態のままご購入されたお客様の手元で大切にしていただきたいとの思いで、弊社のアーカイバル容器をご活用いただいております。
アーカイバル容器は、身の前面が開くフラップ仕様の被せ式保存箱です。この形状により、作品を横から安全に出し入れすることができます。作品のサイズや重量に応じて、底面や側面に補強を施しています。収納対象となる陶彫作品には、植物がモチーフの繊細な装飾が施されており、些細な衝撃で破損してしまう可能性があります。そのため、容器内で作品が横に動かないように、容器の底面には作品の輪郭に合わせてくり抜いた固定用のスペーサーを取り付けました。作品をお客様に納品する際などの輸送時には、緩衝材として新薄葉紙『Qlumin™くるみん』やエアキャップなどが使用されます。さらに、容器の外側には樹脂製の取っ手を取り付けています。これにより、収納された作品を安全に運搬することができるようになっています。
今回掲載させていただいた作品の展示会は既に終了しておりますが、2023年7月15日から30日までBunkamura Gallery 8にて開催される企画展『Opening Selection -Bright,Calm,Dark- Vol.3 Dark』にて村上様の作品も展示されます。
本記事の掲載にあたり、GALLERY SCENA様、村上仁美様にご協力をいただきました。誠にありがとうございました。
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・2020年11月18日(水)陶器製のカップ作品を収納する保存容器を製作しました。
2023年7月5日(水)愛知県長久手市にあるトヨタ博物館にて資料保存の出張講座を行いました。
トヨタ博物館の文化館3階にある図書室は、国内外の自動車に関する書籍、雑誌、カタログ、AV資料を幅広く所蔵しています。その中で、弊社は貴重書に分類される書籍の修理を年々担当していることから、今回の講座のご依頼となりました。
講座内容は、事前に要望をお伺いしながら詳細を詰め、当日は4時間にわたり図書室スタッフの方々を対象に行いました。
講座では、「治す」「防ぐ」「取り替える」という3つの資料保存の方策の中で、修復の役割や意義について理解していただくとともに、資料の損傷状態に基づいてどの選択肢を選ぶべきかについて説明し、スタッフの皆さんに共通の理解を持っていただくことを重視しました。
次に、図書室に所蔵されている雑誌資料の中で、金属綴じの資料への適切な処置方法について学びました。修復に必要な道具や適切な修復材料の選択方法を解説し、具体的な修復処置として、小冊子の金属除去や綴じ直し、本紙の破れの修補まで、専門知識と実践的なスキルを習得していただきました。その他、合本の解体から分冊までの実演、デンプン糊の作製などを行いました。
講座の中で、同図書室での資料保存の取り組みや課題についてもお伺いすることができ、私たちにとっても非常に有意義な時間となりました。
ご依頼をいただき、誠にありがとうございました。
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2020年11月11日(水)愛知県長久手市にあるトヨタ博物館様より書籍修理のご依頼をいただきました。