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今日の工房 2023年 3月
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2023年3月29日(水)上智学院ソフィア・アーカイブズ様所蔵の歴史資料「大学紛争ビラ」の保存処置事例
上智学院ソフィア・アーカイブズ様より大学紛争ビラ約3,100枚の保存処置をご依頼いただきました。ビラは上智大学を中心とした学生運動に関係する資料群で、市販の事務用品リフィルに収納され、リングファイルで年代順に整理・保管されていました。全体的に保存状態は良好でしたが、経年劣化によりファイルの樹脂製リングがベタつき、ステープルやクリップなど鉄製の留め具の腐食が進行していました。今後の利用を考慮し、資料の閲覧性をそのままに、長期保存を目的とした保存処置と小環境の整備を行いました。
具体的な整理作業に着手する前に状態調査を行い、個々の資料の状態、形態、必要な取り扱いを考慮しつつ、ステープルやクリップ類の金属除去とクロスや刷毛を使い資料に付着したホコリなどの細かい汚れを除去するドライ・クリーニングを行いました。クリーニングを終えた資料は中性紙(リフィル用間紙:収納する資料が曲がらないようサポートし出し入れもしやすくなる。またバインダーの開閉時に資料が摩擦して傷つくことを防ぐ)と一緒に透明リフィル(A4用リフィル)に入れ替え、アーカイバル・バインダーに収納しました。最後に、元の資料番号を印字したラベルをバインダー内のインデックスシートとアーカイバル・バインダー本体に貼付しました。
この度の事例掲載にあたり、上智学院ソフィア・アーカイブズの後藤様、大塚様にご協力をいただきました。誠にありがとうございました。
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2023年3月10日(金)資料内非公開ページのマスキングをGasQシートで -東京大学文書館様の事例から-
アーカイブ資料を扱う機関様では、個人情報等の非公開情報が含まれている箇所に非公開処理−マスキング(袋掛け)−が施されます。マスキングにはさまざまな方法があり、代表的なものとしては、中性紙封筒を利用し本文と一緒に綴じる方法や紙製クリップを使う方法がありますが、解綴・再製本の必要性が生じたり、また資料にわずかでも負荷を与える可能性があったり、それぞれに特色があります。マスキングは基本ページ単位で行われますが、東京大学文書館様では、約5㎝巾の短冊状にカットした不織布シートGasQ®を該当ページに巻き付ける方法を採用されています。もともと北海道立文書館様での和紙素材を使用した短冊のアイデアをアレンジなさったそうです。
「GasQ®」の短冊に、スタンプや鉛筆で必要情報を記載し、それを該当ページに巻き付けます。短冊の片側の端は、書架で目に付くように天小口から飛び出させ、反対の端は天小口側で折り返します。重なりを持たせて折り返すことで短冊が留まり、糊や粘着テープなどで貼る必要はありません。不織布シートですので資料への当たりが柔らかく、手間なくコンパクトに行えます。
本事例の掲載にあたり、東京大学文書館 秋山様にご協力いただきました。誠にありがとうございました。
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