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今日の工房 2019年 1月
週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。
2019年1月30日(水)東京大学総合図書館から14名の方々をお招きし、保存容器と修理の部門をご案内しました。
東京大学総合図書館の職員の方々14名を弊社の見学にお招きし、保存容器制作部門と修理部門のそれぞれをご案内致しました。
制作部門では、保存容器に収納する資料や作品の採寸から部材の切り出し、組み立てまでの流れをご覧いただいたほか、無酸素パック『モルデナイベ』や『ドライクリーニング・ボックス』の解説や事例をご紹介しました。
修理部門では、スタッフそれぞれが担当しているお客様の資料の処置工程をご覧頂きました。和装本、ポスター、新聞、簿冊、小冊子、洋装本などといった形態の資料の、手繕い、リーフ・キャスティング、裏打ち、脱酸性化処置、デジタル化の撮影前後の手当て、エンキャプシュレーション、修理製本などの処置工程や処置の使い分けをご紹介しました。職員の方の中には、館内で修補を行っている方もおられるとのことで、貴重な意見交換もできました。見学後、「職員のなかでの資料保存についての選択肢が広がった。」との感想をいただきました。
見学中、採寸道具に大きな関心を持ってくださったことをきっかけに、見学後に初代(約23歳)の採寸道具を久しぶりに出して組み立て、触れてしみじみ味わいました。(最後の2枚の画像が採寸道具。白い本体が初代。もう一台が現役。)
今回の見学も、スタッフ一同、大変勉強になりました。東京大学総合図書館の職員の方々には、お忙しい中ご来社くださり、心より感謝申し上げます。
2019年1月23日(水)版画やデッサンなどの紙に描かれた作品類をまとめて保管するには。
版画やデッサンなどの紙の上に描かれた作品類をまとめて箱に入れて保管する際、作品と作品の間に一枚ずつ間紙を挟んだり、それぞれの作品を二つ折りフォルダーに挟むことがある。どちらも作品の保護や色移りの防止などに役立つ包材だが、上手く使い分けることでより効率的な保管ができる。
作品を取り出すことが多い、整理番号を明記したいなど個別に扱うことが多い場合は一点ずつ二つ折りフォルダーに挟み、フォルダーごと扱えば作品の保護にもなるし管理もしやすい。
一方、作品を取り出すことがほとんどなく、なるべく嵩ばらないように保管したい場合は、薄手の間紙で十分間に合う。包材の紙質については作品の素材や大きさも考慮しながら、厚みや表面のなめらかさなどを検討すると良い。
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新薄葉紙「Qlumin(くるみん)」
2019年1月16日(水)厚い台紙の写真アルバムを修理する。
厚い本文台紙の端を接着剤で貼り合わせて冊子状にした写真アルバム。貼り付ける写真の紙の厚み分を、台紙の端をL字に折って作り、折ったところを隣りの台紙の端に貼り合わせている。
表紙が外れ、台紙の切れや剥がれが起きている。剥がれた台紙を貼り合わせたのち、背ごしらえして表紙と再接合する処置を行う。一般的な書籍の場合は見開いた際に背を支えるよう、和紙をしっかりと貼り重ねて背ごしらえを行うが、この形態の資料は台紙が厚く柔軟性がないため、厚い背ごしらえを行うと見開けなくなってしまう。そのため、和紙の他に薄くとも強度がある寒冷紗を背ごしらえに使い、柔軟な動きに対応できる背を作った。