今日の工房 サブメニュー
今日の工房 2017年
週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。
2017年6月14日(水) 学習院大学図書館様所蔵の華族会館寄贈図書(漢籍・和装本)277点の修理報告書を掲載しました。
弊社では平成26年度から平成28年度までの3年間、学習院大学図書館様が所蔵するコレクション「華族会館寄贈図書」の保存修復処置をお引き受けする機会をいただき、処置を行ってきました。平成26年度は洋装本62点を対象とし、弊社HPにもその報告を掲載しております。今回は平成27年度から平成28年度までの2年間で行った漢籍、和装本277点に対する保存修復処置についての報告『学習院大学図書館様所蔵「華族会館寄贈図書」漢籍・和装本の保存修復処置事例』を掲載しました。
なお、このコレクションは同大学のデジタルライブラリーで公開されております。
2017年6月7日(水) 大判の資料にも対応できる特注クリーニング・ボックス
資料に付着した塵埃やカビ残滓の、屋内での除去作業用にご好評をいただいておりますドライ・クリーニングボックス。お客様のご要望にお応えして、このほど一回り大きなサイズの製品を作りました。従来の定型品では対応が難しい資料サイズのドライ・クリーニング用ボックスを特注品としてお引き受けできます。ご相談ください。
従来品(幅580×奥行き450×天地445ミリ)に比べ、今回の製品のサイズは幅750×奥行き500×天地445ミリ。幅と奥行きを広くしたことで、大判の図書や雑誌などを見開いてクリーニングできます。
ドライ・クリーニングボックスの機能のポイントは、ボックス内で、奥の空気清浄機(HEPAフィルター装備)に向かって十分な気流が発生し、塵埃などが作業者側に来ないこと。今回の大きなボックスも定型品と同様に、気流が手前から奥へと流れているか、気流検査器で確認済みです。
空気清浄機とボックスを1つにまとめた梱包で出荷します。作業時に現場で梱包の箱から出して数分で組み立てて、作業を開始できます。
2017年5月31日(水) 耐水性を付与できるシクロドデカンを線状に資料に含浸して水性処置をする。
耐水性が無く処置中に滲む恐れがあるインクは、昇華性のシクロドデカンを塗布し、養生してから、洗浄や脱酸性化処置、裏打ちやリーフキャスティング等の水性処置を行う場合がある。
シクロドデカンは元々は固体だが、熱を与えると液体になる。この状態でインク等のうえから塗布・含浸し乾かして再び固体にし、部分的に耐水性にした後に洗浄等の水性処置を行う。全ての処置を終えたあとに放置しておくと、固体のシクロドデカンは気化(昇華)して資料から抜ける。
これまでは、手作りのホット・ブラシ、電熱線を中に組み込んだプレートなどを使ってきたが、必要以上に線が太くなったり、層の厚みがまだらになり昇華スピードのコントロールが難しいことなどから、つど改良を行っていた。今回、シクロドデカンの塗布によく利用されるKistka(イースターエッグの装飾に使用するワックスペン)と比較してみたところ、これまでより繊細な線が引けるので、必要な箇所にのみ塗布することができた。昇華スピードの調整については今後も引き続き課題ではあるものの、処置の精度が向上する点は期待できそうである。
関連情報
2017年5月24日(水)あらゆるサイズのガラス乾板に対応できるように専用フォルダーを品揃えしました。
弊社ではこのほど、ガラス乾板のあらゆるサイズに対応できるように専用フォルダー(中性紙製4フラップ・フォルダー)の品揃えをしました。素材は国際標準化機構(ISO)の定める写真活性度試験(PAT:Photographic activity test)をクリアしており、長期に安心してご使用いただけます。
ガラス乾板を保存する上で最も大切なことは、膜面(乳剤面)を外的な劣化要因からまもること。たとえば、包材が膜面に対し不均一に接した状態では、空気(酸素)や湿度の影響の差が劣化の差となって、画像濃度の低下に繋がるため、劣化を抑制する包材や間紙は周辺にできる限り隙間がなく、膜面に均一に密着させることがポイントになります。
包材に収納する際の基本的な手順は、ガラス乾板を元の包材から取り出し、埃や汚れを柔らかいブラシで拭き取った後、一枚ずつガラス乾板フォルダーに包んで、損傷の無いものは膜面に圧が掛からないように立てて保存できる専用の箱に収めます。
弊社のガラス乾板専用フォルダーは以下のように、一般的な規格サイズとともに変形サイズも品揃えしています。また、サイズ指定の特注品も作成できます。
内寸サイズmm | 外寸サイズmm | 通称 |
47×62×3 | 48×63×3.5 | |
84×62×3.5 | 85×63×4 | |
82×106×3 | 83×107×3.5 | |
84×109×3 | 85×110×3.5 | 手札 |
84×122×3.5 | 85×123×4 | |
104×130×3 | 105×131×3.5 | 4×5 |
122×122×4 | 123×123×4.5 | |
123×123×4 | 124×124×4.5 | |
130×181×3.5 | 131×182×4 | 5×7 |
162×162×4.5 | 163×163×5 | |
164×215×3.5 | 165×216×4 | |
168×216×3.5 | 169×217×4 | 6×8 |
205×256×4 | 206×257×4.5 | |
255×306×4 | 256×307×4.5 | 8×10 |
310×100×3 | 311×101×3.5 | 天文写真乾板用 |
121×165×3 | 122×166×3.5 | 5×7小 |
なお、適正な包材へ収納後のガラス乾板の保管環境は、ISO規格に基づいた日本工業規格(JIS)によるJIS K 7644:2004 写真―現像処理済み写真乾板―保存方法(ISO 18918:2000 Imaging materials−Processed photographic plates−Storage practices )に準拠した環境が推奨されています。許容されるRHレベルは、20%〜50%、好ましくは40%未満。RHは60%を超えてはならず、大きな変動は避ける。推奨温度は15℃〜25℃(20℃以下が好ましい)。過酸化物、硫化水素、オゾンなどの反応性化学物質は保存環境中から除去する—というもの。
関連情報
2017年5月17日(水)東大史料編纂所プロジェクト編『文化財としてのガラス乾板』が刊行
東京大学史料編纂所附属画像史料解析センタープロジェクトおよび科研費等による、久留島典子・高橋則英・山家浩樹編 『文化財としてのガラス乾板』(勉誠出版)が刊行された。先駆的にガラス乾板の調査・分析・保全を続けてきた東京大学史料編纂所の実例(東京大学史料編纂所所蔵ガラス乾板の保存とデジタル技術による復元プロジェクト)のほか、同様の取り組みを進める諸機関の手法をまとめたもの。
本書では、ガラス乾板の保存と活用に必要な事柄を、基礎から応用まで、カラー図表をふんだんに示しながら具体的に紹介されており、初心者から実務者にとっての総合的なガラス乾版保存の入門書となっている。巻末付録には用語集のほか、写真関連規格、写真感光材料の標準寸法、保存用品、参考文献などの写真資料の整理・アーカイビングに必要な情報が充実している。
目次は下記の通り。
はじめに 山家浩樹
総論
第1章 ガラス乾板の歴史と保存の意義 高橋則英
第2章 写真と歴史学―東京大学史料編纂所の活動を中心にして 谷昭佳
第3章 写真史料を保存へ導くために 白岩洋子
第Ⅰ部 ガラス乾板の保全と活用
第4章 ガラス乾板の史料学―整理保存と調査による研究資源化の実際 谷昭佳
第5章 ガラス乾板の取り扱い 竹内涼子・高橋則英
第6章 ガラス乾板用保存箱の製作 谷昭佳・高山さやか・竹内涼子
第7章 ガラス乾板の劣化例証 竹内涼子
コラム1 ガラス乾板の「膜面返し」とコロタイプ印刷 谷昭佳(文責)・高山さやか(作図)
コラム2 ガラス乾板の劣化について―ガラスの組成分解について 山口孝子
コラム3 損傷したガラス乾板の処置と修復 三木麻里
第Ⅱ部 ガラス乾板の情報化
第8章 ガラス乾板のデジタル情報化―デジタル撮影とメタデータの作成 高山さやか
コラム4 ガラス乾板のスキャニングについて―京都国立博物館の取り組みから 岡田愛
コラム5 ガラス乾板に関するデータはどこに向かうのか 山田太造
第Ⅲ部 ガラス乾板蓄積の経緯とその背景
第9章 東京大学史料編纂所における歴史史料の複製とガラス乾板 井上聡
コラム6 日本史研究におけるガラス乾板の意義―保阪潤治コレクションから 木下聡
第10章 博物館と文化財写真―奈良国立博物館におけるガラス乾板整理の経験から 宮崎幹子
コラム7 東京大学経済学部資料室所蔵のガラス乾板―横濱正金銀行資料から 小島浩之
コラム8 文書館におけるガラス乾板の蓄積と公開 新井浩文
附録 用語集
・写真関連規格一覧
・写真感光材料の標準寸法に関する一覧表
・参考文献一覧
・ガラス乾板に関する情報・画像を公開している国内の主な機関
・保存用品取り扱い業者一覧
おわりに 久留島典子
掲載図・写真の所蔵・出典一覧 執筆者一覧
2017年5月10日(水)修復業務アシスタントを募集しています。
現在弊社では、修復業務アシスタントのアルバイトを募集しております。近現代紙資料(図書、雑誌、和装本、洋装本、新聞、地図、図面、写真など)への処置に伴う資材の準備、撮影、などのほか、経験や技能に応じて実作業に関わっていただくこともあります。このほか、保存容器の作製、調査、社外での出向作業などのお手伝いをお任せすることがあります。慎重な手作業のほか、資料の梱包や搬送に伴う作業など、内容は様々です。募集概要は、こちらをご確認ください。ご不明な点は、担当者(伊藤、高田)へお問い合わせください。
2017年4月26日(水) サイズの異なるガラス乾板を一箱にまとめて収納する。
何種類かのガラス乾板を 一箱に収納する場合、箱の中に仕切りを入れ部屋を作り、乾板のサイズに合うように各部屋に上げ底やスペーサーを入れる。乾板はサイズに合ったフォルダーに 1枚ずつ包み、それぞれの部屋に入れる。ガラス乾板は壊れやすいため、ひとつの部屋に違うサイズのものを一緒に入れてしまうと、箱が傾いた時などに力のかかり方が不均一になり、破損の原因となる。また、上げ底やスペーサーがない箱の場合は詰め物を入れるなどして、乾板が箱の中で動かないような工夫をするとより安全に保管できる。
2017年4月19日(水) 少量のデンプン糊を電子レンジで作る。
工房では毎日の作業用に、かなりの量のデンプン糊を使うため、鍋で糊を炊くが、防腐剤を含まないデンプン糊の保存期間は冷蔵庫で一週間程度。傷みやすいデンプン糊を必要な分だけごく少量作りたい場合に、電子レンジを使う。深さのある耐熱ガラスの容器にデンプン粉(5 ~10g程度まで)と水を1:5で入れ、ダマが残らないように混ぜる。電子レンジ600wで加熱し、10~20秒ごとに取り出してよく混ぜる。様子を見ながら合計加熱時間5分程を目安に、この工程を繰り返す。水に取って冷やし、漉して完成。用途に応じて濃さを調整して使用する。
2017年4月5日(水)大きな額装作品を縦置きで保管する、留め具付きの台差し箱
大型の台差し箱を縦置きで保管するには、蓋を平紐などで縛る必要があるが、資料を出し入れする度に紐を結び直す手間がかかる。留め具にボアテープ(面ファスナー)を使用すると蓋の開閉が簡便になり、身とピッタリ固定ができる。
箱の中で資料が動かないよう、内寸をタイトに設計した。そのため箱の中にスペーサーを取り付け、作品を取り出す手掛かりを設けた。箱の壁にはボードが二重になる補強を加えており、高さが低い薄型の箱でもたわまない堅牢な構造になっている。
2017年3月22日(水) 書架に収納する大型雑誌用ファイルボックスをブリヂストン美術館様に
公益財団法人石橋財団ブリヂストン美術館様が収集している海外の美術雑誌の多くは大判で薄く柔らかいため、書架にそのまま立てて並べると自重で湾曲してしまう。当初利用されていた一般的な事務製品は、大型本を支える強度がなく、また、箱の手前の壁が資料の下半分を隠してしまい、本のタイトルや管理用ラベルが見えづらく、出し入れに手間がかかっていた。そこで強度のあるアーカイバルボードを使い、資料をしっかりと支えられる構造にした。手前の壁がなくなることで資料の背がすべて見え、出し入れも安全に行うことができるようになった。
2017年3月15日(水)和装本(四つ目)を仕立て直す。
和装本の修理の行程は、綴じを解体して一丁ずつ本紙を修補することと、修補後の綴じ直しに大別される。綴じ直しは、元穴や元表紙が問題なく再使用できたり、本紙の状態が良好であれば、さほど難しい工程ではない。しかし、損傷状態によっては綴じ穴を新しく設けたり、表紙を新しくする仕立て直しをすることも多い。綴じ穴の位置やちりの具合を調整する仕立て直しの作業は、資料の「顔」を決める重要な工程といえる。
まずは本紙を中綴じする。修補後の本紙を折り直し、丁を揃えながら元の順番通りに重ねる。重ね終えたら、目打ちで綴じ穴を開けて、紙縒りで中綴じを行う。周辺に残る補修紙については化粧裁ちを行う(薄手の資料であればカッターなどで、厚いものは断裁機を使用する)。角裂(かどぎれ)は、あらかじめ修補または新しく用意しておき、中綴じと化粧立ちの後に付け直す。
次に、表紙の四辺を折り込む「表紙掛け」を行う。中綴じした本紙と、表紙の内側を、軽く糊付けして固定したあと、表紙の背、天地、小口の順に、ヘラで筋を付けながら折り込み、最後に、折った紙が重なる四隅を斜めに切り落とす。本紙をきちんと保護できるよう、表紙が出過ぎたり内に入りすぎたりしていないか、指先で確認しながらちりの具合を調整する。その後、表紙と見返し紙の小口を糊で貼り合わせる。
最後に、題箋やラベルを元の位置に貼り戻した後、元糸を参考にして、似た色合いと太さの糸で外綴じを行って完成させる。
関連情報
今日の工房2015年9月9日 和装本の綴じ直しに使う絹の糸と布
今日の工房2005年10月11日 ボーディングで紙縒りを作る
スタッフのチカラ2015年5月20日 シリアス染料による補修用和紙の染
スタッフのチカラ2011年5月27日 馬込家文書に対する保存修復処置事例
スタッフのチカラ2010年3月29日 和書「往来物」への保存修復処置
2017年3月9日(木)殺虫処理が館内で簡単・安全・確実にできる無酸素パック『Moldenybe®モルデナイベ』の大型サイズをラインアップしました。
「サイズが大きい博物資料、絵画、美術工芸品、テキスタイルなどの殺虫処理や保管にも対応できる大型袋が欲しい」そうしたお客様からのニーズを受けて、これまで特注品(都度対応品)として製造していた『Moldenybe®モルデナイベ』の大型袋3種を定番化します。材質も形も多種多様な文化財の密閉・脱酸素処理に最適なサイズを揃えました。
内寸mm | 外寸mm | セット数 | 価格 (税抜) |
|
モルデナイベ大型 | 1,110×1,280 | 1,140×1,320 | 5セット
スライド・チャック式ガスバリア袋(マチなし平袋)5枚+エージレスセット25個 |
¥53,000 |
モルデナイベ大型 | 310×1,360 | 380×1,400 | 10セット
スライド・チャック式ガスバリア袋(マチなし平袋)10枚+エージレスセット10個 |
¥65,000 |
モルデナイベ大型 | 430×929 | 440×944 | 10セット
スライド・チャック式ガスバリア袋(マチなし平袋)10枚+エージレスセット10個 |
¥42,000 |
◆ 無酸素パック『Moldenybe®モルデナイベ』は、酸素を遮断できる高性能な3連スライド・チャック式ガスバリア袋と医薬品や化粧品にも使用されている安全性の高い脱酸素剤を使い、誰でも手軽に無酸素の密閉空間を作ることができる包装資材です。無酸素の環境にすることによって、貴重な資料、染織品、木製品、革製品等に付く害虫やカビを、人体に有害な殺虫剤や防カビ剤などの化学薬品を使うことなく確実に殺虫・防カビ処理できます。また、酸素をゼロにして「酸化」を防ぐ特性を生かし、衣類の酸化による色褪せ、黄ばみ・染みの発生防止や金属材料の腐食防止・保管など様々な用途に活用できます。通気を遮断するので乾燥をある程度防ぎ、臭い移りが起こらないので一時的な隔離袋としても使用できます。
ご購入方法
本製品のお見積り・ご購入は下記リンク先の販売代理店窓口までお問い合わせ下さい。
メールまたはFaxでお問い合わせの際は件名に「モルデナイベ問合せ」とご明記をお願い致します。
メールは(at)を@に変えて送信して下さい。
なお販売代理店は取りまとめ店のみを記載しております。このほかの営業所は各販売代理店までご連絡下さい。
販売代理店 お問い合わせ先
・日本ファイリング株式会社 特販部
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2 新御茶ノ水アーバンビル
Tel:03-5294-3037 Fax:03-5294-3014 メール t.sudo(at)nipponfiling.co.jp(担当:須藤)
・株式会社クマヒラ 企画本部 ミュージアムグループ
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町1-10-3
Tel:03-3270-4393 Fax:03-3270-4394 メール info(at)kumahira.co.jp
・金剛株式会社 業務本部 企画・調達センター
〒860-8508 熊本市西区上熊本3丁目8-1
Tel:096-355-8889 Fax:096-352-0227 メール contact(at)kongomail.com
・中部資材株式会社 燻蒸部
〒490-1447 愛知県海部郡飛島村西浜28番地
Tel:0567-55-1290 Fax:0567-55-1777 メール bunkazai(at)chubushizai.co.jp
・トラッドマテリアル
〒589-0007 大阪府大阪狭山市池尻中2-2-26
Tel:072-205-2027 Fax:072-205-2028 メール mail(at)tradmaterials.jp
・第一合成株式会社 営業部文化財課
〒192-0051 東京都八王子市元本郷町1-25-5
Tel:042-625-5070 Fax:042-622-1884 メール info(at)daiichigosei.co.jp
・沖縄サニタリー株式会社
〒900-0036 沖縄県那覇市西2丁目13-15
Tel:098-868-8458 Fax:098-862-0825 メール sanitary(at)woody.ocn.ne.jp
・寺田倉庫株式会社 ドキュメントソリューショングループ
〒140-8615 東京都品川区東品川2-6-10
Tel:03-5439-6100 メール doc.contact(at)terrada.co.jp
・株式会社 明治クリックス
〒661-0001 兵庫県尼崎市塚口本町3丁目28番8号
Tel:06-6423-0662 Fax:06-6423-3452 メール world(at)meijiclix.co.jp
・タキヤ株式会社 東京営業所
〒107-0062 東京都港区南青山1-4-2八並ビル2F
Tel:03-5410-0992 Fax:03-5410-0998 メール info(at)takiya.com
・株式会社パレット
〒259-0113 神奈川県中郡大磯町石神台3-11-3
Tel:0463-70-6444 Fax:0463-72-3157 メール toiawase(at)paret.jp
・IPMサポート株式会社
〒299-4502 千葉県いすみ市岬町中原422
Tel:0470-64-6824 Fax:0470-64-6825 メール t.hasegawa(at)ipm-s.co.jp(担当:長谷川)
・株式会社紀伊國屋書店 教育支援システム部 デジタルコンテンツ課
〒153-8504 東京都目黒区下目黒3丁目7番10号
Tel:03-6910-0514 Fax:03-5436-6921 メール dc00(at)kinokuniya.co.jp
関連情報
・2016年8月3日(水) 無酸素パック「モルデナイベ」は工房でも加湿や修理用の材料の保管などに活用しています。
・2015年03月27日(金) 無酸素パックの大型タイプを開発—-段ボール4箱をそのままパックして安全に殺虫。
※2019年3月更新
2017年2月22日(水) ひな人形をGasQ®️で養生し、元の木箱に保管する。
桃の節句も近づき、あちこちでひな人形の展示公開が行われる季節となった。この時期、資料館や個人の方などからひな人形の保管についてお問い合わせをいただくことがある。
今回ご紹介するのは一般家庭に伝わるひな人形の保管例。収納用の木箱もなるべく元のまま使い続けたいとの要望から中性紙保存箱への入れ替えはせず、人形の養生に汚染ガス吸着シートGasQ®️を使うことにした。
人形を収納する際には、顏や手といった繊細で壊れやすい部分を和紙などの柔らかい紙で養生する。今回は顔と衣装の部分をGasQで、形が複雑な手の部分はきめの細かい不織布で養生するなど、素材を使い分けた。最後に薄葉紙で全体を包み、元の木箱に収めた。年に一度、箱から出した時にGasQを交換すれば継続した効果が得られる。
2017年2月16日(木)修理に使う水を作る逆浸透膜(RO)装置を一新しました。
修理に使う水を作っているRO(逆浸透膜)水装置。専門業者の方に定期的にメンテナンスをしていただきながら使用し、10年以上稼働し続けていました。この度、装置自体を一新。最新の設備に切り替えていただきました。ろ過装置がパワーアップしてタンクも小型になり省スペースに。今日も処置に必要な水を供給してくれています。
2017年2月1日(水) レコード盤保存容器「グラモボックス」の販売を開始しました。
グラモボックス」は、文化財向けの保存箱に使われるアーカイバルボードを材料としたレコード盤保存箱です。ボードの原料は100%純粋なケミカルパルプで、ISO18902:2013(イメージング材料の保存用品に関する国際規格)に定められた品質基準に準拠しています。ボード自体の酸性劣化を防ぐためpHを弱アルカリに調整し作られています。
「グラモボックス」はまた、一般的な段ボール箱に比べ2~3倍の強度があり、収納したレコード盤の反りや変形を防ぐ事ができます。フタは前面でロックする構造なので、持ち運びの際も不用意に開かない設計になっています。SPレコードは割れやすく、一度反りが起きると修復する事が困難なため平置きでの保管が望ましいです。LPレコードは箱を棚に立てて保管することもできます。付属の中性ラベルシールにジャケットデザインやレコードタイトルを印刷し箱に貼ると、中身の判別に便利です。
古いレコードジャケットには酸性劣化している物が多く、傷みが目立ち側面が裂けている物も見かけます。むき出しで保存している際の大気中の酸性ガスが主な原因ですが、従来の木製のレコードケースも木材から発生する酸性ガスが箱の内部に溜まり、レコードジャケットの劣化を早める危険があります。
「グラモボックス」への収容時には、別売りの中性紙スリーブや汚染ガス吸着シート「GasQ」の採用もお勧めします。スリーブに移し替え、オリジナルジャケットはまとめて「グラモボックス」に収納することで、出し入れの際のジャケットへの物理的ダメージを防ぐ事ができます。更にジャケットの間に汚染ガス吸着シート「GasQ」を挟み込むこむことで、ジャケットの酸性劣化や変色を予防できます。
関連情報
『今日の工房』2016年7月13日(水)SPレコードを保存するには
2017年1月25日(水)「日本写真保存センター」セミナーが2月8日に。当社も関連製品を展示します。
2月8日(水)に池袋サンシャイン文化会館7階で開催されるpage2017のオープンイベント「日本写真保存センター」セミナー『時代を記録した写真原板に光を!-眠っていた写真原板を目覚めさせ、活用しよう-』に出展します。
印刷媒体等で公表している写真家(プロ、アマ問わず)の写真原版(フィルム、乾板、湿板)を収集保存している日本写真保存センターによる調査研究成果の発表があります。また、写真原版を長期に保存するための知見、技術、製品を持った企業が出展します。
弊社は、写真資料(紙焼き、ポストカード、フィルムなど)用のバインダーとリフィルやガラス乾板用保存箱とフォルダーの他に、汚染ガス吸着シート GasQ®を使った映像フィルム用、レコード用といった視聴覚資料用など、利活用と長期保存性を考えた保存容器を展示します。どうぞご自由にお手に取ってご覧ください。
申し込み締め切りは1月31日(火)です。奮ってご参加ください。
2017年1月18日(水)修理に欠かせない道具・材料—リーフキャスティング(漉き嵌め)で使用する竹簾
竹簾はリーフキャスティング(漉き填め)を行う際、濡れた紙資料を安全に扱うための支持体としてとても重要な道具。頑丈な作りで壊れることはそうそう無く、長年の使用で糸が緩んでも自分たちで締め直しながら大切に使ってきたが、繁忙期のフル稼働に備えて新調することになった。これらは手作りで材料の竹も選りすぐりのものでできている。ほかにも修理に欠かせない道具や材料はたくさんあり、刷毛、和紙、革、プレス機、断裁機など、修理の現場はいろいろな分野の職人さん達の優れた手の技術に支えられている。
関連情報
今日の工房 2015年12月2日(水) 修理製本の隠れた部位に使う「白鞣し革」とは?
今日の工房 2015年03月18日(水)修理の各工程で使う水にはこれだけの質が要求されます
今日の工房 2012年04月12日(木)断裁機のメンテナンス
今日の工房 2010年09月02日(木)押切り機のメンテナンス
今日の工房 2009年08月19日(水)糸が緩んだ漉き簾を直す
2017年1月12日(木) ゲーム資料保存の喚起を促す小冊子『ゲーム保存の意義とその実践』–国内外の現状と課題、データ記録媒体の基本知識や保存等の実例も
NPOゲーム保存協会が作成した小冊子 「ゲーム保存の意義とその実践」では、国内外のゲーム文化保存や協会のゲーム保存に関する取り組みがまとめられ、ゲーム資料の保存の必要性を喚起すると同時に、なぜ保存が必要か、なにを、どのようにすべきかを簡潔明瞭に述べている。構成は次の通り。
第1部 流出するのは文化財だけではない。何もしなければ文化そのもの、そしてその歴史まで、他国のものになって行く。
-すでに始まっているゲーム保存の国際競争
-ゲーム大国地位回復のために 今すぐ、国ができること。
第2部 ゲーム保存の意義とその実践 NPOゲーム保存協会がみた日本の現状と当協会のこれまでの取り組み
-浮世絵現象
-海外に先を越されるコレクション
-アーカイブというミッション
-ゲーム保存協会ゲーム・データベース
-コレクション・資料収集
-資料の劣化について
-保管技術
-フォレンジック・プリザベーション
-保存技術とその未来
-NPO法人ゲーム保存協会
「残念なことに、日本が海外に誇る一大文化コンテンツであるはずのゲームは、資料自体の劣化が人々の予想以上に速く、非常に脆い性質のものであることが多いのです。このまま年月が経過すれば、現代文化の大きな一翼を担っているにも関わらず、これまでの電子ゲーム及びその関連機器・資料等の歴史、全体像やその受容のされ方を、未来へと継承していくことが困難なってしまうおそれがあります。私たちゲーム保存協会は、この危機に立ち向かい、少しでも多くの貴重な電子ゲームを後世に残すべく活動をしています。」(本文中より抜粋)
NPO Game Preservation Society NPOゲーム保存協会 2016年9月29日発行
2016 増補版 「ゲーム保存の意義とその実践」
この小冊子は、同協会にサポーター登録(3,000円から)をされた方にPDFファイルで配布されます。お問合せはNPOゲーム保存協会まで。
関連情報
◆NHKワールドによるゲーム保存協会についてのドキュメンタリー番組 Inside Lens – Game Preservation – The Quest
◆今日の工房 2016年3月9日(水) ゲームソフトのフロッピー、テープ、CDを保存するには