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今日の工房 2015年 12月
週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。
2015年12月16日(水)韓国での本格的な市場開拓のための視察をしました。当社で研修を受けた李さんの在籍する国立ハングル博物館も見学。
弊社製品の韓国での販売を本格的に開始するにあたり、販売代理店となる株式会社竹尾様、特殊紙の開発と販売を行う株式会社TTトレーディング様、現地取扱店となるDoosung Paper Co., Ltd.様、各社のご担当者とともに、国立ハングル博物館、韓国国家記録院(NARA記録館)の他、韓国の文化財保存機関や文化施設の設備・資材供給メーカーを訪ねた。
昨年秋に新設された国立ハングル博物館では、5年前に弊社で研修された李珍嬉さん(【寄稿】李珍嬉 「近代資料のコンサベーション技術を学ぶ-資料保存器材での研修報告-」) が勤務されており、すでに弊社製品を導入しご活用していただいていた。
過密なスケジュールだったが、各所で汚染ガス吸着シートGasQや防カビ・殺虫の無酸素パックモルデナイベの紹介と実演を交えてのアーカイバル容器の実用性をアピールできた。また、弊社製品を既に導入されている国立機関や取り扱いメーカーの方々から直接弊社製品の評価を聞く、またとない機会になった。
2015年12月9日(水) 汚染ガス吸着シートGasQ、定型の断裁品も発売
2013年の発売以来ご好評をいただいている汚染ガス吸着シートGasQに、定型の断裁品が登場しました。
従来の幅1100mm×50m巻ロール品に加え、1100×800mmの断裁品(100枚入り)が新発売となり、これまで特注品としてのお取り扱いしかなかった断裁品をより安価にお求めいただけるようになりました。カットや加工もしやすく手軽に資料を包むことができるほか、保存容器や棚、展示ケースなどに敷くなど用途もさまざまです。これまでのロール品と併せてご活用ください。
なお、枚数がまとまれば、ご希望のサイズの断裁品も提供いたします。ご相談ください。
GasQ断裁品(定型サイズ)
1100×800mm 100枚入り 38,000円(税抜き)
2015年12月2日(水) 修理製本の隠れた部位に使う「白鞣し革」とは?
洋装本の表紙の修理に用いる革は、通常は植物タンニン鞣ししたものが使用される。だが、重い革装本の背ごしらえや、綴じの支持体として白鞣し革(white tawed leather)を使用することがある。この革は、植物タンニンではなく、カリウムミョウバン液に浸して原皮(山羊、羊、豚など)を変性することで、独特の色と風合いとともに、優れた耐久性と耐用性を持つようになる。表紙全体を覆う材料としても中世から18世紀にかけて多用されているが、コンサベーションでは、表紙の開閉時の負荷がかかる背や綴じの隠れた部位に用いることが多い。
なお、弊社が修理に用いる革は、製本用皮革の専門業者として200年以上の歴史を持つ英国J. Hewit & Sons 社から入手している。コンサベーション用の皮革素材としても長期的な安定性が確認されている。