今日の工房 2015年 6月

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2015年06月24日(水) 京都での文化財保存修復学会にブース展示をします

6月27,28日の両日、京都工芸繊維大学で開催される第37回文化財保存修復学会 に出展するための準備。配布用のカタログや展示サンプルの確認をした。

 

ブースでは新商品の「スリムボックスとスリムフォルダ」をはじめとするアーカイバル容器のほか、ご好評をいただいている「防カビ・殺虫ができる無酸素パックMoldenybe®」や、「汚染ガス吸着シートGasQガスキュウ® を出品します。当日ご来場される方はぜひお立ち寄りください。

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2015年06月17日(水) 歴代延岡藩主の印章を保管するー多様な素材と形にシンク式容器とGasQ®で対応

明治大学博物館様のご依頼で印章を収納する保存箱を作成した。収納される資料は江戸時代の延岡藩主、内藤家が残した5万点に及ぶ資料のうち、歴代藩主の印章を中心とした印章群「内藤家伝来印章資料」である。

1箱に7顆から60顆の印章を収納し付属のガラス製の扉のついた木箱も同梱する保存箱。収蔵庫のラックのサイズに合わせるため、収納数の多い保存箱は重箱のように積層した。印章の素材は木や石、金属など多彩で、腐食や変色の要因となる汚染ガス対策と、移動時の振動や衝撃の保護のため従来の薄葉紙の代わりに GasQガスキュウ® を印章や木箱のサイズに合わせて断裁し、凹凸の多い印章と木箱をやさしく包んだ。

 

 

関連情報

 

スタッフのチカラ 2011年10月21日
明治大学博物館様所蔵「時田昌瑞ことわざコレクション」いろはカルタの収納事例

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2015年06月03日(水) インク焼け処置前のチェックのための指示薬紙を作る

バソフェナントロリンという薬剤とエタノールの混合溶液にろ紙を浸漬し乾燥させ、二価鉄指示薬紙を作製する。この指示薬紙は、没食子インクかどうかを素早く簡単にチェックするために、オランダ国立文化財研究所で開発されたもので、わずかな水分でインクのチェックが出来るため、没食子インクかどうかの有効な判別法として世界的に広く利用されている。チェックする時は、指示薬紙を水でわずかに湿らせ、調べたいインクに接触させる。もし使われているインクが二価鉄を含む没食子インクであれば、水に可溶性の二価鉄イオンが指示薬紙に移行し、淡いピンク色の呈色反応を示す。

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