今日の工房 2012年

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2012年05月31日(木)

ハーフ・バインディングの革装本の修理。オリジナルの革の背表紙と表紙のコーナー部分はレッドロットにより劣化していた。本体の一部に見られた丁の外れは、隣り合う括と糸で綴じ合せた。本の重量と厚みによる背への負担を考慮し、新規革装丁での処置をした。最後にオリジナルの背表紙のタイトルパネルを新規背表紙に貼付した。

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2012年05月17日(木)

これまでは上蓋のみが開く保存箱で、資料にアクセスするには箱を棚から取り出す必要があり、満載すると超重量になり不便かつ危険。とのお客様からの声を元に、資料を整理収納する際は上蓋を、棚に納めた後は前扉が開き資料へのアクセスが容易な棚はめ込み箱を資料と棚どちらにもピッタリと合わせたサイズで作製した。期待に100%応えられる保存箱が完成した。

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2012年05月10日(木)

人材育成の一環として行っているペーパーコンサベーションのレッスンの様子。和装本、原稿、新聞の3種類の資料サンプルを使用する。解体から始まり、ドラ イ・クリーニング、洗浄、脱酸性化処置、リーフキャスティングなど修補の工程を経て、綴じ直し、エンキャプシュレーション、保存容器収納までの保存修復処 置を一通り行う。

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2012年04月26日(木)

当社が毎日製作するアーカイバル容器は少量多品種。CADで図面を描き、切り出し、組立加工するが、大きな板から切りだすと、どうしても余計な部分が出て きて、どんどん溜まっていく。また、設計や加工時のミスによるヤレも出てくる。これらは専門の業者さんに引き取ってもらい、再び紙として活用される。

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2012年04月19日(木)

江戸期の埋蔵銭貨をいれる特注容器。碁石のような粒状の形をしたものや延板状の長楕円形など色々な形態がある資料のため、一点ずつ形をトレースして、落とし込みマットを作成した。箱には綿布団を組み込み、蓋を閉める際、資料を適切に保持できるよう工夫されている。

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2012年04月12日(木)

日々の利用により、切れ味の落ちた断裁機の刃を研ぎに出した。職人さんの手にかかると、刃の脱着も微調整もものの数分。見事な切れ味が蘇った。年季の入った機械なため、パーツも専用工具も代替品の入手がもはや難しく、紛失できない。

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2012年03月29日(木)

裏面に文字が書かれているトレーシングペーパーのエンキャプシュレーション。アルカリを含まない台紙+ガス吸着紙を額縁状に切り抜いて、文字を覆わないよう資料周辺を囲う。裏面からファイバー・ブリッジ法で台紙に固定し、最後にエンキャプシュレーション処置で完成。

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2012年03月22日(木)

彩色部分の絵具が剥落するおそれのある軸物を広げた状態で保管する容器。強い巻き癖のため両端の八双と軸棒に箱型のストッパー(写真左より1・2番目)を 被せて戻らないようにする。さらに上板(写真左より3・4番目)を載せて左右のストッパーを固定する構造。軸物の出し入れを容易にするため容器の側面には フラップを付けた。

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2012年03月15日(木)

ネガフィルム用のポリエステル製不織布ポケット。不活性で表面も平滑、引っかかりがない。劣化し変色した元のグラシン紙製ポケットを取り替えた。アルバムの台紙へデンプン糊で貼付した。

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2012年03月08日(木)

甲冑と、付随する装飾具を共に収納する箱を作る。重量のある甲冑は各部分を解体して収納される。保存箱の形状は、コの字状のスリーブが着脱可能で、収納したものを安全に取り出せるつづら箱に、また、荷重のかかる底面には補強材を組み込み、歪みや破断が生じない構造にした。

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2012年03月01日(木)

欠損部の補填や補強に使う和紙は、継ぎ目の厚みや段差を目立たなくするために、喰裂(くいさき)にして使用することが多い。その際、毛羽立った繊維の長さを均一に切り揃えると、馴染みが良く、仕上がりがきれいになる。

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2012年02月23日(木)

胸像と台座をまとめて収納するつづら箱を制作した。台座はスライド式のトレイに入れてつづらの底に納め、その上に胸像を乗せる。複数の資料をまとめて一つの箱に納める場合、箱に仕切りをつける他にもこのような方法がある。

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2012年02月16日(木)

経年劣化により物理的強度が低下したトレーシング・ペーパーの修復。ゴアテックスを用いて全体に均一な水分を与えながらゆっくりと伸展させ、サクションテーブル上でファイバー・ブリッジと喰裂きにした和紙による破れの修補を行った。トレーシング・ペーパーは液体の水に敏感なため、接着剤は非水性のHPC(ヒドロキシ・プロピル・セルロース)を使用した。この後、台紙に固定しエンキャプシュレーションを行う。

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2012年02月09日(木)

ガラス乾板保存箱色々。お客様所有のガラス乾板サイズや収納枚数、容器を置く棚のスペースに合わせて仕切りの数、大きさを変えることが可能。

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2013年02月07日(木)

商品を安全に輸送するために大切なのはやはり梱包だが、今回は大型箱を東北に送るため、二人がかりで格闘すること数時間。まずエアシートで包み、段ボールで四隅と縁を重点的に養生してから全体を覆う。仕上げに「取扱注意」のシールを貼り、晴れてトラックの荷台に載せることができた。

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2012年02月02日(木)

ワイヤー・ソーイング(wire sewing)により綴じられた書籍。括を針金で中綴じし、製本されている。ワイヤー・ソーイング・マシーンは、1880年ドイツで開発されたが、糸綴じ 機の普及と、針金が錆びて本が崩壊することから、すぐに姿を消していった。処置として、解体・金属除去をし、括の背を修補、綴じ直しの後、表紙と本体を接 合した。右端の画像は、http://t.co/WEwd K1N から。

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2012年01月26日(木)

木箱に保管されていたガラス乾板古写真を入れる専用保存容器を作る。既存の木製箱と乾板のサイズに合わせたシンク(凹み)を持つフレームを作成し、共に保管できるよう2段構造となっている。また既存の木箱からの揮発成分の影響を考慮して、ガス吸着機能をもたせた新きりなみ仕様となっている。

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2012年01月19日(木)

革のフルバインディングを和紙で直す。革装丁本の修復に、部分的に和紙を使うのは欧米では一般的だが、破損の著しい背表紙すべてを和紙で代替した。オリジナルの背バンドを活かしつつ厚めの和紙で背ごしらえをし、さらに染色した和紙で全体を覆う。アクリル絵具で補彩し、表紙の革と共に保革油を全体に馴染ませることで、全体に統一感がでる。

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2012年01月12日(木)

資料についた泥や埃などを除去する際に使用するドライクリーニングボックス。アーカイバルボードの本体に、埃の飛散防止のために取り付ける掃除機のノズルや、透明アクリル板などを組み込んで制作する。今回制作したものは、東北各地で被災資料の復旧に使用される。→改良した製品はこちら。簡易ドライクリーニング・ボックス

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