今日の工房 2012年

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2012年12月06日(木)

「アクリル製展示台」のプロトタイプモデルの紹介。ベースに立つ4つの真鍮製の脚は、伸縮自在で、支持板の高さが調整できる。真鍮の内部にはバネを組み込み、本の荷重を柔軟に支える構造となっている。支持板との接続は歯車構造のヒンジを適用。加工精度が高く、中心の回転軸を基準に自由に動き、開いた角度でロックできる。

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2012年11月29日(木)

高さと重量のある作品を入れる被せ箱。箱の蓋と身を通常と逆に使うことにより、中身を取り出しやすくした。高さのある資料向けの箱としては、この他につづら式保存箱がある。

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2012年11月15日(木)

修復のサンプル資料。洋書、和装本、一枚ものなど様々な資料をサンプルとして集めている。これらを処置方法の検討や、技術向上のための練習台として使っている。お客様へご説明の際の修復事例としても使用。最後の画像は革装丁本の修復前と修復後を一冊で比べられるように処置した。

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2012年11月01日(木)

書庫内での図書等の資料清掃に最適な「ドライクリーニング・ボックス」の販売を開始しました。ドライクリーニング作業時に、カビやホコリを吸い込まないよう作業者の健康への被害を最大限に考慮した構造です。HEPA またはULPAレベルのフィルターのものならば、お手持ちの家庭用掃除機が装着可能です。第14回図書館総合展に出品しますので、是非弊社ブース(小間No28)にお立ち寄りください。→改良した製品はこちら。簡易ドライクリーニング・ボックス

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2012年10月16日(火)

上野の東京藝術大学附属図書館にて、「後藤家文書 刀装金工の鑑定と記録」貴 重資料展が開催中。後藤家文書は、寄贈当初から虫損による損傷が激しく、公開が難しい状態のものが多数含まれていたが、平成20年度より保存プロジェクトとして修復作業が開始され、弊社もその一端を担わせて頂いている。展覧会では、修復工程のパネル展示と共に、実際に弊社が修復を行った資料も一部展示されている。会期は10月27日(土)まで、観覧料無料、同館2階目録室にてご覧いただけます。

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2012年10月11日(木)

茶道具の桐箱の構造を応用した紐付き被せ箱。紐を底面に十字に通し、上から底板をはめ込んでいる。紐を箱に固定しないことで「四方左掛け」のような独特の結び方ができる。

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2012年10月04日(木)

粘着テープを除去し、修補する。粘着テープは外れた表紙をつなぐために貼られていた。表面からアルコールで湿りを入れて接着剤を緩ませ、表装の革に注意しながら綿棒やスパチュラを用いて慎重に取り外していく。接着剤も残さず除去したのち、新たにヒンジを作成して表紙と本体と接合した。

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2012年09月27日(木)

國立臺湾師範大學美術系専任副教授の張元鳳先生とお弟子さんたちが弊社工房へ見学にいらした。アーカイバル容器部門では、各製作行程や、容器についての構造と効果、各箱種の特徴等を見て頂いた。コンサベーション部門では、虫損のある資料に対する各処置行程やエア・ストリーミング乾燥法、インク焼けのある資料に対する処置方法を見学し、エンキャプシュレーションの作業体験も行った。

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2012年09月21日(金)

ロール・エンキャプシュレーションによる大判地図の修復手当て。資料の一端に和紙の足を付けフィルムで挟み、和紙ごと溶着する。フィルムの他の三辺を溶着しないことによって、巻き込む際に生じるフィルムのたわみを逃がす。資料の保護性は極めて高く取り扱いも安全、平置きの保管が難しい大型の資料でも、芯無しでロール状に仕上げることができる。最後に平紐の輪で止めて保存容器に収納する。

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2012年09月13日(木)

篆刻と貴重な装飾品類をまとめて一箱に保管するための特注保存箱。篆刻は筒状の囲いの中に立てて納め、付随する装飾品類は各サイズに合わせて作成した仕切付きの台差箱に納める。一箱にまとめることにより管理やアクセスもしやすくなる。

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2012年09月06日(木)

アーカイバル容器部門のCSSの様子。大型箱の新規構造開発、作業の簡素化、反りの低減の3つをテーマに手法の改良と性能検証を行なった。アーカイバルボードだけを使った、特殊な連結接合を考案し、3m超の長尺でも、軽量でかつ十分な強度を保つ。また従来よりもシンプルな構造が完成した。中重量の大型資料用の保存箱に適用できる。

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2012年08月30日(木)

明治19年発行の英語辞書。本紙は和装本のように前小口側が山折で片面テキスト、糸による3穴の平綴じ、小口の3方にはマーブルが施され、表紙の芯材は木製のくるみ製本。明治期に伝わった西洋の製本の構造と、和装本の構造が混在している。表紙が本体から外れ、本紙の一部が綴じから外れていたため、本紙を和紙で補強した後に綴じ直し、表紙・本体の再接合を行った。

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2012年08月23日(木)

個人様所有の雛人形用の新きりなみ式保存箱。人形は全5体、小物は屏風や毛氈など全14点を全て一つの保存箱に収納したいとの依頼。採寸と納品は直接お宅へ伺った。屏風以外の18点は専用の部屋を設けた箱に収納し、底に寝かせて収納した屏風に直接乗ることがないようにレールとトレーを付け、その上に乗せる仕様にした。一箱に納めることにより、散逸することがなくなり格段に扱い易くなったと非常に満足していただけた。

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2012年08月16日(木)

外れた表紙を糸で結びつけるタケッティング法(Tacketing)で再接合する。本体のヒンジ部分から一括目ののどに向かって、2箇所に孔を開けて糸を通す。糸の両端は表紙の芯材ボードと革の間に埋め込み、重量のある資料も表紙と本体をしっかりと繋ぎ合わせる事ができる。上から染色した和紙で覆い、見た目も馴染むように仕上げる。

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2012年07月19日(木)

東京も梅雨が明け、強い日差しとともに夏本番を迎えました。毎年恒例の手ぬぐいは、涼しげなカモメの柄に決定し、間もなく皆様のお手許に配られる予定です。社内ではこの時期、汗をかきながらの製作となり新旧の手ぬぐいが活躍しています。

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2012年07月12日(木)

大英博物館日本絵画シニア・コンサバターの杉山恵助氏と、フリーア美術館アーサー M. サックラー美術館東洋絵画修復室主任コンサバターのアンドリュー・ヘア氏が、工房見学にいらした。アーカイバル容器部門とコンサベーション部門それぞれを見て頂いた。巻子用容器などのほか、補修用料紙の染色方法についても関心があるとのことで、様々な意見交換ができて有益だった。

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2012年07月02日(月)

6月30日、7月1日の両日、日本大学文理学部百周年記念館にて文化財保存修復学会第34回大会が開催されました。弊社はアーカイバル容器の展示と、ポスターセッションで「水害を受けた紙媒体資料の簡易・迅速な緊急避難法」(PDF 380KB)を発表しました。ご来場くださった多くの皆様から、沢山のご質問やご意見を直接伺うことができ、大変参考になりました。お立ち寄りくださった方々に心より御礼申し上げます。

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2012年06月21日(木)

巻き癖の強い図面の水蒸気による加湿フラットニング。保存修復手当を行うためには、まずはこれらを平らにする必要がある。容器に室温の水を張り、資料が直 接触れないよう底上げして網を置き、資料を入れたら蓋をかぶせて加湿する。この方法で、ある程度の量をまとめて処置する事ができる。

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2012年06月09日(木)

美術館の既存の屏風用ラックに、はめ込み式の壁板を製作した。表面が中性紙ボードでできた壁板は金属より資料へのあたりが柔らかく、立てかける際にも安心できる。今回は最大で約1.8m×1.2mもの大きさがあるため、三層構造にして強度をもたせた。貼り合わせも3人がかりの大仕事。

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2012年06月07日(木)

商品がちょうど納まるように梱包用ダンボールを加工するにはちょっとしたコツがいる。このためのアイデア治具がこれ。棒と直角にダイスが食い込みスライドさせると、折りたい箇所に線状に凹みがつく。梱包の決め手になる正確な折り込みラインが誰でも簡単に引ける。角材とクランプだけの簡単なものだが、あると大変便利。

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