今日の工房 2007年 2月

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2007年02月26日

特攻隊の若者が父母に当てた遺書。半世紀以上を経て、いま在る。破れや欠損部はエビデンス・ホウル(evidence hole)、すなわち状況と経時の証であり、涙の跡もそうだ。化学的な劣化を止め、分離しそうなところだけを繊維でブリッジして繋ぐ。

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2007年02月20日

漢籍 7,600冊の綴じ直し。うち、タイトルなどの書誌事項が載った表紙の場合は、外糸の綴じ部(ヒンジ部)から書脳までを取り除き、薄葉紙(楮製)で袋折りを作り、これに収納し綴じ付ける。薄い紙を通して元のタイトルが見える。

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2007年02月13日

背が赤い革で装幀された写真帳(アルバム)を直す。酸化・酸性劣化した背革は、活かせる部分を除いて、全体を和紙で治す。本体と表紙のヒンジ部を補強した後に、同系統の色染めをした厚めの和紙で背ごしらえをして元の革を貼り、保革用樹脂を塗り、磨く。

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2007年02月06日

大型の保存容器を作る。現在では、ほとんどのパーツをCAD連動カッターで切り出すが、要所のパーツは押し切りでのカットのほうが良い場合がある。立ち上げ部や底板の補強、内壁の無酸・無アルカリ化の後に完成。巨大な羽毛布団が収納される。

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2007年02月01日

虫損の激しい和書の紙葉の欠損部をリーフキャスティング(漉き填め)で補填する。溜め漉きと流し漉きとを組み合わせた独特の方法で、紙の繊維を欠損部に埋め込み、後々にも補填部が外れる心配のないキャスティングができた。

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