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2024年9月27日(金)保存科学研究室の学生へ向けて資料保存に関する研修を行いました
この夏、東京学芸大学の学生2名が短期アルバイトとして研修に来ていました。両名は保存科学研究室に所属しており、紙の保存修復の現場で学生に実務を経験させたい、という同研究室からのお声がけにより、採用試験を経て、10日間の研修プログラムを実施しました。保存科学研究がどのように現場で活用されているか、資料保存の考え方や修復技術を支える基礎が、経験だけではなく自然科学的な知見にあることを是非知って体感してもらえたらという思いで、それぞれの部門のスタッフが研修を担当しました。
研修内容を一部紹介します。
<ペーパーコンサベーション>
・近現代紙資料の劣化、損傷の特徴について
・新聞、手書き原稿のサンプル資料を使った保存修復処置(観察・調査、カルテの作成、処置方針の策定、洗浄、水性脱酸性化処置、非水性脱酸性化処置、修補、エンキャプシュレーション)
・青写真(シアノタイプ)のサンプル作成、感光材料を用いた紙資料の保存について
・和装本の保存修復処置(手繕いによる本紙虫損箇所の修補、四つ目綴じ直し)
<ブックコンサベーション>
・書籍の劣化、損傷の特徴について
・リンプ製本のサンプル作成、歴史と構造の特徴について
・図書資料の電子化、それに伴う解体と綴じ直しについて
<アーカイバル容器>
・紙製保存容器に求められる品質、容器設計について
・サンプル資料の採寸、アーカイバル容器のデザイン、作図、アーカイバルボードの切り出し、組立て
<文献整理>
・当社の文献コレクションについて、未登録文献の登録作業
・文化財保存に関する情報の収集と検索、国外の保存修復機関と刊行誌について