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2021年5月26日(水)手作業で紙を切るときの安全対策の一例

〝カッターで紙を切る”、という動作は、日々の作業で繰りかえし行いますが、急いでいる時や集中が途切れた時に、思わぬ怪我をすることがあります。そのため、刃物を使う際は、安全に作業するためのアイデアや工夫を取り入れています。

 

作業の一例として、電子化に伴う合冊新聞の解体作業では、本紙の背側の接着剤で綴じられた部分を切り落としていく工程があります。ごくわずかな幅に定規を合わせて、長い距離をカッターで切り、一枚ずつに解体します。劣化した本紙は紙の押さえが甘かったり、適切に刃が入っていないと切る際に引っかかりが生じて破れたりするので、単純でありながら注意を要する作業です。数カ月分の新聞が合冊された分厚い資料や、あるいはこうした処置を行う資料の数が百数十冊以上にもなる事もあり、この〝切る”作業が繰り返されます。

 

具体的な安全対策の一つとして、透明な硬質ペット製のL字アングル[※]を両面テープで定規に貼りつけ、刃先が滑っても指先にあたらないようにガードをつけています。透明なので視界の妨げにならず、定規に手を添えてしっかりと抑えることができます。このほかにも、距離が長い場合は重石を押さえの補助にする、余計な力を込めずに切れるよう常に刃をよく切れる状態にしておく、手元を明るくする、十分な作業空間や資料の置き場所を確保する、作業内容や作業者の体格に合わせて正しい姿勢で作業できるよう作業台の高さを調整する、適切な休憩をとる、なども反復作業で体を痛めないために必要です。

 

無理なく安全に作業できる道具や環境を整えることは、怪我を防ぐだけでなく、効率よく、正確に作業を仕上げるために欠かせません。

 

[※]L字アングル:L字型に加工された金属やプラスチック等の建築部材で角の保護、補強に使用される。

 

 

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