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2017年7月19日(水)写真保存の第一人者 ラヴェンドリン氏の『写真技法と保存の知識』が出版に。
現在の写真保存における予防的保存の理論的な基礎を据えたベルトラン・ラヴェドリン氏 の主著『 Connaître et conserver les photographies anciennes(仏語タイトル)』の完全日本語版が『写真技法と保存の知識』として青幻舎から出版された。原書のフランス語版、英語翻訳版共にベストセラーとなっており、すでにスペイン語版、ベトナム語版が刊行されている。
著者のラヴェンドリン(Bertrand Lavédrine)氏はパリ自然史博物館・教授、フランス国立保存研究センター・所長(併任)。現在、国立民族学博物館客員教授。日本語版への翻訳は白岩洋子氏(紙本・写真修復家、白岩修復工房主宰)、監修は日本大学芸術学部教授 高橋則英氏(日本大学芸術学部教授)による。
本書では、 デジタル以前の主要な写真技法を網羅し、各技法の歴史・製作法・劣化とケアについて、わかりやすい図解と豊富な作成図版で一覧できる。第3部の「保存」には、保護包材、保管環境、展示、デジタル化–の項があり、写真の技法を判別した上で、 どのような劣化が起こり、 それに対しどのようにケアしていくかについて丁寧に解説されており、写真を長く保存するための手引書として真に役立つ一冊になっている。
(内容紹介 : 本書カバーより)
「近年、初期写真への関心はコレクター、保存修復家、アーキビストだけでなく、家族アルバムや地域の写真の保存を望むアマチュアの人々の間でも高まっている。写真の歴史はわずか170年という短いものであるが、その歩みの中で数多くの技法が誕生してきた。本書はデジタル以前の写真を理解し保存するための総合的な入門書であり、写真の技法に関して役に立つ情報を集約した、類のない一冊であ る。筆者はそれぞれの技法—ダゲレオタイプ、アルビューメン(卵白)ネガ、ダイトランスファープリントなど一の歴史と発展、材料、劣化の原因やメカニズムを概説し、保存や取り扱い上の注意に関して具体的に助言している。
本書はこの分野の近年の発展を開示し、包括的に解説した簡潔で理解しやすい一冊として、保存修復家、学芸員、コレクター、ディーラー、写真家、家族アルバムの持ち主、アーカイブや家族写真を長く大切にしたい人など、初期写真の保存に関する知識を求めるすべての人々に貢献することだろう。」 ※本書日本語版の翻訳にあたり、原文の内容を現在の状況に合わせて更新し、さらに本書の英語版も参照したうえで技術的な補足を付している。
以下は 青幻舎の案内 から。
『写真技法と保存の知識 デジタル以前の写真―その誕生からカラーフィルムまで 」
著者:ベルトラン・ラヴェドリン (フランス国立コレクション保存研究センター所長)
翻訳:白岩洋子(紙本・写真修復)
監修:高橋則英 (日本大学芸術学部教授/写真史・画像保存)
□ 判型:B5変
□ 総頁:368頁
□ 製本:並製
□ ISBN: 978-4-86152-617-6 C1072
定価:本体5,500円+税